今回はドスパラさんよりCLIP STUDIO PAINT DEBUTが同梱されているイラスト作成向きのパソコンraytrek X4-T Rose Goldをお借りしたので実機レビューしました。こちらのモデルはあらかじめCLIP STUDIO PAINT DEBUTのシリアルが同梱されているので直ぐにイラストを描くことが可能になるお得なモデルで、ワコムのペンタブレットが動作検証もされているので安心して使う事が出来ます。性能的にはそこまで重たい処理はできませんが、ブレンダーも動作するので作成したCGモデルをイラストに使う事も可能です。14インチと小型で非常に薄くて持ち運びしやすくどんな場所でもイラストを描くことが出来て、画質を低く設定する事で人気のゲームをプレイする事も可能でした。
ページ最後には10万円台と12万円台のパソコンではどれだけ性能が違うのか比較もしているので参考にしてみてください。
今回お借りしたraytrek X4-Tの性能スペック
機種名 | raytrek X4-T Rose Gold Windows 11 搭載 【CLIP STUDIO PAINT/Wacomペンタブレット動作検証済み】 イラスト向けモデル |
モニターサイズ | 14インチ 1920×1080 フルHD sRGBカバー率99% リフレッシュレート60Hz |
CPU | Core i7-1165G7 |
グラフィックス | インテル Iris Xeグラフィックス |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
重さ | 1.5kg (公式サイト) |
値段 | 109,980円(税込) (詳しくは公式サイトを確認) |
raytrek X4-Tのセット内容
セット内容は本体とACアダプターにUSB Type-Cのケーブルが付属します。本体のサイズは高さ18.9mm、幅323.5mm、奥行き219.5mmです。一般的な鞄に入れて持ち運び出来るサイズです。
ACアダプターのサイズは小さく持ち運びに便利なサイズです。本体のバッテリーは連続11時間使用出来るのでACアダプターが無くても1日中快適に作業する事が出来ます。
raytrek X4-Tのデザイン
3方向に広がるヘアラインがスタイリッシュで高級感のあるデザインですが、触ってみてもザラザラしておらずさらっとしている触り心地です。
画像クリックで拡大します | |
PCとバッテリーの重さ
PC本体の重さは1.44kgと非常に軽くてACアダプターを入れても合計1.66kgなので色々な場所に持ち運んで使う事が出来ます。
画面の見え方 視野角 モニターの色
液晶画面は14インチのフルHD画質1920×1080で、sRGBカバー率は99%なので正確な色を確認しながら作業するデザイナーさん向けのモニターとなっています。画面も非光沢なので暗い画像を表示していても自分が映り込んで作業が妨げられる事もありません。ただリフレッシュレートは60Hzとなっているので素早い判断を要求されるゲームには不向きとなっているので注意してください。
打ち合わせ中に横から画面を見る場面があったとしてもしっかり画像を見ることが出来ますが、
画面は最大180度開くフルオープンヒンジ
液晶画面はフルオープンヒンジが採用されているので180度開閉可能です。椅子に座って正面の人とお互い同じ画面を見る時に使いやすかったり、椅子に座って作業する時や寝転んで作業する時に自分が見やすい自由な角度に調整出来るので非常に便利です。
椅子に座って同じ方向からばかり見ているとその作品が良いのか分からなくなることがありますが、手に持って近づいて確認する事も出来ます。
HDカメラ付属
画面上にはHD画質のカメラが搭載されているのでWindowsへのログインを顔認証で簡単に出来たり、Zoomなどのオンライン会議にも使う事が出来ますが、本体左下のON/OFFスイッチを切り替える事で、カメラの誤作動を防ぐ事が出来ます。
キーボード タッチの感触
キー配列はJIS規格準拠の配列なので一般的なキーボードを使っている人は問題なく慣れる事が出来ます。ただ右側にテンキーが装着されていないのでその点だけ注意してください。
キーの高さは低くて指が疲れづらく、押すとカチっとしっかりした押し心地があるので気持ちよくタイピングする事が出来ます。
タッチ部分の操作は問題なくスルスルで快適に動作しました。また、左上には指紋認証システムが搭載されているので簡単にパソコンにログインする事が出来ます。
正面・後ろ・サイド面の端子
パソコン正面 パソコンを閉じた時の厚さは非常に薄くてかさばりません。
パソコン背面
パソコン左面 ケンジントンロック、USB3.2Gen1Type-A、マイク入力ヘッドホン出力共用端子、MicroSDカードリーダーが付いています。
パソコン右面 HDMI、USB3.2Gen2 Type-A、Thunderbolt4x2、WebカメラマイクONOFFスイッチが付いています。電源はThunderbolt4にUSB TypeCを繋げて接続できます。
非常に薄くて持ち運びしやすいですが、残念ながらLANが非搭載なのでwifi経由でソフトやゲームをダウンロードしないといけず、多少時間かかるのが難点に感じました。
パソコンの動作音
パソコンの動作音はネットサーフィンやYOUTUBE視聴など軽い動作中は33db前後でほとんどパソコンの動作音は気にならない程静かですが、ベンチマークを起動したりゲームをプレイしたり3DCGでのレンダリングをすると45db前後まで上がりますがそこまでファンの音は気にならずに比較的静かに使う事ができました。音に敏感な人でも安心して使う事が出来るパソコンとなっています。
平常時 | 35db前後 |
ベンチマーク計測中 | 33db前後 |
一般的にどれだけの音なのか比較した表です。
騒音計で計測した音の評価数値 | |
冷蔵庫の音 | 30db |
室内のエアコンの動作音 | 40db |
室外機のエアコンの動作音 | 50db |
CPU性能
CPUには第11世代のCore i7-1165G7の4コア、8スレッド、2.8Ghzが搭載されています。薄型ノートパソコン向けのCPUで、フォトショップやクリップスタジオを使ったイラスト作成から、そこまで重たくない作業であればブレンダーやMayaを使った動作まで使用する事が可能な性能です。
グラフィックカードの性能
グラフィックカードには2021年に登場したインテル Iris Xeグラフィックスが搭載されていますが、このグラフィックカードはCPU Core i7-1165G7の内蔵GPUとして搭載されている物です。内蔵GPUしか搭載されていないノートパソコンでリアルタイム表現を要求されるゲームをプレイする事はかなり難しかったですが、今回試してみると極力設定を低くする事である程度遊ぶ事も可能でした。値段が安いのでここは仕方がない部分ですが、あくまでゲームなどをプレイするのはおまけ程度だと考えておいた方がよさそうです。
MAYA arnoldのレンダリング速度
自作のモデルを作ってMaya Arnoldで試しにレンダリングテストをしてみました。
使用ソフト | MAYA arnold |
レンダリングサイズ | 1920×1080 |
バイク本体のテクスチャ | 2kサイズx90枚 |
倉庫 | 2kサイズx50枚 |
レンダリング時間は1時間15分と出ました。
過去に使ったノートパソコンと比べると1番遅い結果となりました。もちろん値段が安く性能が低くいので分かり切っている結果ですが、データの読み込みもしっかりできたのでMayaでの作業でも使える事が分かりました。
順位 | レビューPC | レンダリング時間 |
1位 | raytrek R5-TA6 32GB | 25:53 |
2位 | GALLERIA GR2060RGF-T | 26:13 |
3位 | raytrek R5 | 29:09 |
4位 | raytrek G5 | 53:32 |
5位 | AERO 17 HDR (XB-8JP4130SP) | 54:34 |
6位 | GALLERIA GCR2060RGF-E | 65:12 |
7位 | GALLERIA GCR2070RNF-E | 68:41 |
8位 | GALLERIA GCR1660TGF-QC-G | 69:48 |
9位 | raytrek X4-T | 01:15:40 |
blenderのレンダリング速度
blenderのデモファイルAgent327 Barbershopをダウンロードしてレンダリングしてみましたが、ソフトもしっかり起動できてCPU、GPU共にレンダリングも出来ました。
blenderを使ったCyclesのレンダリング速度 | |
CPUレンダリング/40:40 | GPUレンダリング/34:46秒 |
サブスタンスペインターは一部動作に問題あり
テクスチャ作成ソフトのサブスタンスペインターは動作しましたが、一部スマートマテリアルがしっかり表示されなかったので起動はできますが動作に問題が生じる可能性があります。
CINEBENCH R15のベンチマーク数値
OpenGL | 95.25fps |
CPU | 698cb |
CINEBENCH R20のベンチマーク数値
CPU | 1728pts |
V-rayのベンチマーク数値
V-rayベンチマークのGPU数値は何故か結果が出ませんでした。
CPU | 03:05 |
GPU | 00:00 |
フォトショップの処理能力
フォトショップCCを使って6000x4000pxの写真にフィルターのぼかし放射状を最高画質で適用すると約23.27秒でした。使用したサンプル画像はこちらからダウンロードできます。
ゲームのベンチマーク結果
軽い処理で動作するドラクエ10のベンチマークは最高品質にすると、スコアが11305で評価は「すごく快適」です。ドラクエ10ぐらいの軽いゲームだとサクサクで快適に操作出来ます。
フォートナイトのグラフィックは全て設定を低くすると常時30~55FPS前後で重たさを感じずに操作する事が出来ました。ただ基本的にどのゲームもFPS数値は60以上あると快適に動作すると言われているので、場所によってはラグが発生する可能性があるので注意してください。
フォートナイト | 30~55FPS |
APEXの画質設定も全て低くする事で常時40FPS前後でプレイする事が可能になりました。
APEX | 40FPS~ |
高画質で重たい処理のFF15のベンチマークは最高設定を「高品質」「4Kサイズ」でベンチマークを測定してみるとスコアが2316スコアで動作不能でした。
ただ、画質を軽量品質にして1280×720サイズにしてみたらスコアが3801で普通に動作する事が可能になったので、FF15で遊ぶ事も可能なノートパソコンです。
FF15ベンチマーク | 3801 |
GTA5のグラフィックを全て最低設定にしてベンチマークを測ってみると常時30FPS前後で表示されました。30FPSは低いんですがベンチマーク中はずっとサクサク遅くなる事無く進んでいました。
実際にゲームをプレイしても重たくなる事無くゲームを始める事ができたので、画質こそ低くなりますがGTA5もプレイする事が可能です。
オンラインで対戦できるFPSゲームPlayerUnknown’s Battlegrounds(PUBG)はグラフィックを全て低くしてアンチエイリアシングを低くすると画像がギザギザして敵がどこにいるのか非常に分かりづらくなり操作するのが難しくなったのでゲームをプレイするのに向いていない事が分かりました。
PUBG | 37FPS〜 |
サイバーパンク2077をグラフィックを全て低い設定にしてみたら20FPS前後しか表示されずに多少重さを感じたのでプレイするのは向いていない事が分かりました。
サイバーパンク2077 | 23FPS~ |
raytrek X4-Tの評価
ドスパラ公式サイト raytrek X4-T Rose Gold
フォトショップにクリップスタジオを使ったイラスト制作からブレンダーを使った簡単なモデル作成などに向いているパソコン!
薄くて持ち運びしやすく日常的に使いやすいノートパソコンです。モニターの色も良くイラストレーターやフォトショップにクリップスタジオで日常的に絵を描く人に使えるノートパソコンとなっていて、ブレンダーも動作するので簡易的な3DCGモデルをイラストに落とし込む時にも使える性能がありました。
値段が安くて使う用途がイラストだけと限られている人にはオススメ出来る1台ですが、基本的に軽い事にしか使わず重たいデータを取り扱わない人向けのパソコンで、ゲームをする人向けのパソコンではありません。
もう少しお金を出してもいいからレンダリング時間は早くて、ゲームも快適に出来るパソコンを探している人の為に、過去に使用した12万円台で購入出来るGALLERIA GR2060RGF-Tと比較してみました。
パソコンの名前 | raytrek X4-T Rose Gold | GALLERIA GR2060RGF-T |
デザイン | ||
今回使ったパソコン | レビュー記事はこちら | |
値段(詳しくは公式サイト参照) | 109,980円 | 129,980円 |
Blenderレンダリング時間(CPU) | 40:40秒 | 14:23秒 |
フォトショップフィルターぼかし | 23:27秒 | 12:44秒 |
FF15ベンチマーク 高品質 | 2316(動作不能) | 2772 |
メモリ | 16GB | 16GB |
ストレージ | 512 SSD | 512 SSD |
バッテリー時間 | 11時間 | 8.8時間 |
CPU | Core i7-1165G7 | Ryzen 7 4800H |
グラフィックカード | インテル Iris Xeグラフィックス | RTX2060 |
GALLERIA GR2060RGF-Tはモニター画面はsRGBカバー率99%ではなくなりますが画面は15.6インチと大きくなり右側にテンキーも付属して作業効率が上がります。またCPUはRyzen7でグラフィックカードにはRTX2060が搭載されるのでレンダリング時間も大幅に上がるのでブレンダーを使ったイラスト制作からゲームのFPS数値は上がり快適に動作する事が出来ます。
今回ご紹介したraytrek X4-T Rose Gold と、GALLERIA GR2060RGF-Tの値段は2万円の差なので、どの目的でノートパソコンを購入しようとしてるのか考えて購入する参考にしてみてください。
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